むし歯や歯槽膿漏の原因となる歯垢を除去するには、食後のブラッシングが大変効果的ですが、どうしても、歯ブラシだけではどうしても歯垢の除去が不完全になりがちです。ここでは、補助的清掃用具を使って、さらなる歯垢除去を目指してお話しします。
ここで、ちょっと「コップに入ったバナナジュース」を想像してみてください。このバナナジュースを飲み干して、コップを洗おうとします。このコップを「歯」とします。また、バナナジュースを「歯垢」とします。ここで、このコップを洗おうとします。当然水ですすぐだけでは取れません。スポンジなどで器械的にこすることで、初めて取れるわけです。このことが、口の中でも言えます。口の中をすすぐだけではとれません。まして、洗口液にたとえ、強力な酵素が入っていたとしても、それは無駄な努力です。歯ブラシなどで、歯垢を徹底的に器械的に掻き出して除去する必要があるのですが、どうしても、ブラシが届かない部分が存在するのです。ここでは、その歯ブラシの盲点にスポットを当てようと思います。
補助的清掃用具とは、歯ブラシ以外の清掃用具全般のことをさしますが、ここでは、「デンタルフロス」と「歯間ブラシ」の事をさします。デンタルフロスは、別名「糸ようじ」と呼ばれることがあります。
補助的清掃用具には、いろいろな種類があります。
スタンダードなタイプのデンタルフロスです。かなりの量が入っていまして、使い切るのにはかなりの時間を要します。価格は意外と安くてだいたい500円前後です。
スーパーフロスといわれるちょっと特殊なフロスです。これは、真ん中が、太くなっていまして、この部分で歯の隙間やブリッジのポンティク(ダミーの歯)部分の底を磨きます。
歯間ブラシです。ハンドルの先に毛がついていまして、その部分で、歯と歯の隙間を磨きます。いろいろなサイズがありまして、SSS(極々細)、SS(極細)、S(細)、M(中)、L(太)などのサイズがあります。価格は、500円から700円くらいまでです。少し値段的にも高めなのがたまにきずです。この写真のような毛とハンドルに若干の角度がついている物は奥歯で使いやすいと思います。いろいろなメーカーがあるので、凝り出すと、いろんなのを使ってみたりします。
歯間ブラシは、一般的にはこんな様な包装で入っています。奥歯に使用するときは、自分で毛先を曲げて角度を付けて使用しますが、使い方は、結構難しいので多少の慣れが必要です。慣れてしまえば簡単なんですけどね。
ワンタフトブラシ(one=一つの tuft=毛束 つまり、毛束が一つのブラシ)です。これは、普通の歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスで磨き残したところに的確に到達する、ブラシです。つまり、これらの器具では凸面を磨くには適しているのですが、凹面は苦手なんです。歯は、凸面体ではなく、凸凹していますのでこのように凹面を専門に磨く歯ブラシは非常に効果的です。
また、普通の歯だけでなく、矯正装置を付けられた患者さんや、インプラントや、複雑なブリッジが装着されている患者さんにも最適です。
具体的な使用方法は、後に述べさせていただくとして、私は順番的には
普通の歯ブラシ → 歯間ブラシ → (場合によりフロスを使用) → ワンタフトブラシ
という順番にしています。
ちなみに、私の場合はワンタフトブラシは、歯磨き粉を付けずに使用しています。
このワンタフトブラシを使いはじめると恐ろしいくらいに歯面がつるつるします。歯を磨いても、なんとなくぬるぬるしているとか、ざらざらしているという原因は歯垢であるということを再認識させられてしまいます。
よく、この質問をメールでいただきました。私の考えでは、まず最初に普通の歯ブラシでブラッシングを行います。ここで、できるだけの歯垢(プラーク)を落とします。これが重要です。それで、歯ブラシで落としきれなかった、歯と歯の間に入り込んだ歯垢を補助的清掃用具で落とすというのがいいとおもいます。
私の場合は、この状態で仕上げ磨きを兼ねて、普通の歯ブラシにフッ素ペースト(ホームジェルなど)をつけて歯に塗布します。私ではこの方法は、ベストだと思いますが、欠点は時間のかかることですが、これは、仕方ないと思います。逆に、ある程度時間のかかるほうが精神衛生上も大変よろしいのではと思っています。
補助的清掃用具による清掃は、本来は毎食後に行うのがいいですが、私は1日1回就寝前に行うことで十分だと思います。ただし、トウモロコシなどの歯に詰まりやすい食べ物を食べてしまい、運悪く歯に詰まってしまった場合は、その都度とるようにしてください。かばんの中にデンタルフロスを忍ばせていると何かと便利ですよ。
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